胡蝶蘭は、花が枯れてしまったら終わり、という植物ではありません。

一度枯れた胡蝶蘭でも、上手に管理すれば、「二度咲き」させることができます。

実は胡蝶蘭の花茎には、5、6個の節があり、そこに花芽となるかもしれない脇芽というものがあります。よって、花が終わった花茎は、その脇芽が育つように、できるだけ高い位置で切ってしまって、室温さえ適当な温度であれば、また数か月して花が咲くことがあります。ただし必ず二度咲きするわけではなく、株が元気でない場合には難しいようです。

まず枯れた花と傷んだ花茎を取り除く

胡蝶蘭が枯れてきたら、ぎりぎりまで花を見届けたい気持ちもわかりますが、潔く取り除いてしまいましょう。すべての花が枯れてしまってからでは遅いです。というのも、枯れた花が垂れ下がって他の元気な花や茎に当たることで、傷みが広がってしまうからです。

胡蝶蘭の花は、根元に近い方から枯れていきます。 そのため、下の方から取り除いていくのが原則です。また花茎も切り落としてしまいましょう。傷んできた花茎は、余計な養分を吸い取ってしまい、株を萎えさせてしまいます。

花茎を切っていくときには、枯れた花のすぐ近くの茎か、根本から4、5本目から落としていくようにします。園芸用のはさみを使って、すぱんと切ってしまって問題ありません。

室温15度~25度を保つ

胡蝶蘭は熱帯の植物で、寒いのが苦手です。

なるべく原産地に近い環境にすることが好ましいのですが、四季のある日本では栽培農家の温室でないと理想的な環境を自宅で整えるのは容易ではありません。そのため、最低限室温には注意して、15度~25度という温度を維持してください。

夏場や冬場など、胡蝶蘭にとって暑すぎたり寒すぎたりする時期には、エアコンを利用するのも一つの手です。しかしその場合は、エアコンの風が直接当たらない、温度だけが快適な場所に設置してあげましょう。

支柱を立てて株を支える

胡蝶蘭の株は、いい状態でしっかりと管理しておくと、花茎が成長してだんだんと伸びていきます。しかし、伸びていく状態のまま放っておくと、花茎が伸びすぎて、そのまま倒れてしまう危険があります。

そこで必要となるのが、市中です。花茎よりも少し短めにカットしたサイズで、花茎にあまり干渉しすぎないように設置してあげましょう。

肥料を与えて二度咲きを待つ

肥料は洋ラン用のもので構いません。園芸店などで販売されている肥料を使えば、花持ちが良くなり、また、一度枯れた胡蝶蘭も二度咲きしやすくなります。

ただし水やりと一緒で、あまりやりすぎるのも良くありません。むしろ、たくさん肥料をあげると、根が傷んでしまうこともあります。あくまで「適量」です。どれくらいかが適量に当たるかは、購入した肥料の説明に書いている量を確認しましょう。

鉢替えして二度咲きさせる

胡蝶蘭は株さえいい状態であれば、強い植物なので、丁寧な管理で再び花を咲かせます。

ここまで触れてきた5点を守れば、高い可能性で二度咲きさせられるでしょう。

しかし、胡蝶蘭の根腐れがひどい場合や、決して全体の状態がいいと言えない場合には、鉢替えを検討した方がいいです。ただし、本来、鉢替えは胡蝶蘭が病気になってしまったり、害虫につかれたりしたときに栽培農家が行う対策なので、一般向けではありません。

長く胡蝶蘭を楽しみたい方は、少々手間はかかりますが、鉢替えしてあげてください。

◎鉢替えの手順
1)通気性の良い素焼きの鉢やポリポットを用意する
2)鉢から支柱を外して、胡蝶蘭の株を抜き出し、水苔や腐った部分を除去する
3)あらかじめ水を含ませておいた水苔に株元を巻きつけて、丸く大きく形を整え、水を浸透させるスペースを2cm程度取って、植え替える(水苔でなく、堆肥を使用しても可)。

このように植え替えた胡蝶蘭は、最初の1~2ヵ月は水の回数を減らしてやってください。そして葉の艶がなくなりかけた頃に水をやると、また少しして新しい根が動き出し、胡蝶蘭全体が活きいきとしてきます。そうなったら通常のペースで水やりしてあげましょう。

もちろん鉢替えのときには、根に病気がいかないように注意しなければなりません。鉢替えの前に、根に触る手は、きれいに洗っておきましょう。慎重を期すならば、使用するはさみも火で軽くあぶって消毒しておけば、抜かりありません。

――さて、いかがでしょうか。ここまで胡蝶蘭の二度咲きのための方法を紹介してきました。胡蝶蘭は根がしっかりしていて、「原産地の環境に近付ける」ことを徹底すれば、栽培農家でなくても、長く楽しめ、また枯れた後でも二度咲きを楽しむことができる花です。

ただし、二度咲きさせるためには、ある程度の手間と時間も要されます。ゆっくりと育つ花なので慌てずに管理してやってください。「なかなか二度咲きしないから」と不安になって、水やりを多くしたり、肥料をあげすぎたりすると、かえって毒になってしまいます。

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