ギフト用の花として人気の胡蝶蘭には、原種だけで2.5万種があります。
そして、現在、花をより美しいものとするための品種改良・交配によって、その数はいっそう増しています。たとえば、品種名として「リトルピンクレディ」「シュガー」「ロイヤルオレンジ」「キャラバン」「スカーレット」「レモネード」――などなど。胡蝶蘭専門農園では、1カ所で100種類以上を栽培していることも少なくありません。
そのすべての品種をここに網羅することはできませんが、大体の色味による「大別」は可能です。そして、これもよく聞く「*本立て」(2本立て、3本立て…)などの、本数の意味も確認しておきましょう。この二点がよくわかっていると、胡蝶蘭を贈るときに、礼を失することもありません。
「色」での胡蝶蘭の種別
◎「白」
もっとも一般的な胡蝶蘭の色で、純白は、どんなシチュエーションにもまず無難です。
とはいえ、白というカラーにもいろいろなニュアンスがあり、上のように具体的な品種名まで言うと、100種類以上があるようです。微妙な部分までこだわる場合には、販売者に問い合わせて慎重にチョイスするか、または割り切って純白の胡蝶蘭を贈るのがいいでしょう。
◎「赤リップ」
これもよく見るタイプの胡蝶蘭ですね。白の大輪で、花の中心部分が赤くなっているのが赤リップと呼ばれる胡蝶蘭。紅白に見えて縁起がいいので、当選祝いなどで喜ばれます。
全体の印象として、白一色の胡蝶蘭よりも華やかな印象になります。白だけではちょっと埋もれる感じがするような贈り先の場合には、赤リップを選ぶと良いでしょう。また赤リップにも本当にニュアンスだけの赤が入っていたりと、赤の主張の度合いで、また細かい品種がいくらでもあります。
◎「ピンク」
うっすらと優しいピンク色は「シュガー」。やや青みがかった大人なピンクは「リトルピンクレディ」など、胡蝶蘭のピンクも様々です。一概に言えるのは、やはり、女性人気が高いということです。淡い色から濃い色まで、相手の好きそうなカラーを選びましょう。
ちなみに、過去には「ティファニー」という品種が栄えある賞を受けており、人気です。
◎「黄色」
数ある品種の中でも、主張が大きめなのが黄色です。とはいえ、“少し目立ったものにしたい”“相手を驚かせたい”という程度でも、問題なくチョイスしていい品種ではあります。
黄色系の胡蝶蘭としては、知性が感じられる控えめな「フーラーサンセット」が人気です。
◎「グリーン」
胡蝶蘭の中でも、少し変わった感じはありますが、特に淡い色は清潔な印象のするグリーンは面白い種類と言えるでしょう。とりわけ「グリーンアース」は、雰囲気のいいグリーンです。お悔みなどの花にも適す一方、ギフトに贈る花としても、ちょっと変わったインパクトがあり、喜ばれます。
◎「グラデーション」
基本的な花弁の色と、それとやや色相の異なる同系色の色が薄く入っている胡蝶蘭の品種をグラデーションと言います。淡いピンクから淡い黄色へと変わる、「トロピックジュエリー」などが比較的有名で、人気もあります。
◎「青系」「紫系」
比較的希少な品種として、青や紫系の胡蝶蘭もあります。
現在でもこの色合いの胡蝶蘭の栽培は容易ではなく、入手しにくい部類に入るとは言えますが、もちろんまったく不可能というわけではありません。ただ、個性ある色なので、贈る人のセンスも問われます。社会一般のお祝い事には、あえて贈る色ではないでしょう。
青は「ブルーエレガンス」などが有名。世界で数か国でしか作られていない希少種です。
2本立て~7本立てまで「本立て」の意味
お祝い事に贈る花やご祝儀は、割れない数にするのが、社会的なマナーです。
胡蝶蘭でもそうで、その本数すなわち「本立て」は、3本立て、5本立て、7本立てが一般的です。しかし、個人間のプレゼントならば、リーズナブルに手に入る2本立てでもまったく問題ありません。ただ、開店祝いなどに贈ると、若干、非常識になってしまいます。
◎「3本立て」の胡蝶蘭
非常に様々なシチュエーションでプレゼントされるのが、3本立ての胡蝶蘭です。本立てとしてはもっとも一般的と言っていいでしょう。1万円~5万円程度で、やはり重要な相手になるほど、高価なものを贈るのが通常です。ただ、<本当に重要な取引先>に対しては、3本立てでは若干、物足りません。「5本立て」からが見栄えもして、喜ばれるでしょう。
◎「5本立て」の胡蝶蘭
5本立てにすると、胡蝶蘭はボリュームも増して、非常に華やかな存在感あるものになります。相場も、2万円~5万円前後と、決して手が届かないレベルではありません。全体像がしっかりとするので、他からの贈花も多い相手には、5本立てを贈るとよく目立ちます。
◎「7本立て」の胡蝶蘭における相場と価値
7本立て以上となると、これは相当、豪奢なイメージの胡蝶蘭になります。お店での取り扱いも少ないので、品種は限定されますが、やはり“気持ちの表現”としては効果的です。