贈り物としても重宝される事が多い美しい花「胡蝶蘭」は温室で育てるのであれば1年中見る事が出来ますし、家庭で育てる場合は春頃から秋頃まで楽しむ事が出来ます。そんな胡蝶蘭の育て方をご紹介しましょう。

着生ランとして知られており、木などに根を広げて着生している高温多湿地帯で育つ植物で、原産国はフィリピンやインドネシア、タイ、ビルマ、インドなどです。
ただ一部はオーストラリアにも自生しているとされています。

花は一度咲くと、大体1か月間から3か月間という長い間楽しむ事が出来るのが人気の理由の1つとなっています。

ちなみに花の大きさは大輪タイプと小輪タイプがありますので、場所によっていろんな種類のものを選ぶ事が出来ます。

苗について

基本的に苗には花同士を交配させ種を取った実生苗と良い個体をバイオ技術によって増殖させたメリクロン苗があります。
さらに実生苗には一つの株の花粉を同じ株のめしべに交配させたセルフ苗と別の個体を交配させたシブリング苗に分かれています。

こういった苗はフラスコ苗と呼ばれる無菌状態のビンの中に密封されていますので、植える時にはビンから取り出して、苗についている寒天のようなものを流水で流して病気にならないようにします。
植えるまでは直射日光にあたらないように新聞紙などをビンの上にかぶせて影にしておきましょう。

出した苗は寄せ植えをしますが、この時すぐに専用の殺菌剤を使って消毒します。
苗が大きめの場合は寄せ植えするのではなく、1鉢に1本植えるようにします。使う土は水ゴケもしくはバークチップと呼ばれるものを使います。

水ゴケは通気性や保水性などが良いので素焼きの鉢に入れるのがお勧めです。
バークチップは樹の皮を細かくチップ状に加工した物で、排水性も通気性も良いですからプラスチック鉢もしくは透明タイプのポットに入れるのが良いです。根がたくさん出てきたら液体の肥料を与えましょう。

温度

また胡蝶蘭は温かい場所を好むので、日中は窓辺にカーテンごしで日光をあててあげるようにします。
部屋の気温も出来るだけ15度以上あるように気をつけてあげるのが良いです。

冬でも18度以上あれば開花するので、いつでも花を見たいという人は部屋の気温を一年中18度前後に保っておくのがお勧めです。5月から9月頃にかけてでしたら外で管理をしてあげるのも良いですが、50cmほどある安定した台の上に置いてあげるようにします。
外に置いておく場合は直射日光は避けたいので、遮光ネットなどを利用してカーテンごしに日光をあてるのと同じような状況を作るようにするといいです。風通しが良い場所に置くと虫もつきにくいです。

水やり

水やりはその時の土の乾燥度合いを見ながら調整します。
土が乾燥していたら適度に与えるというのを目安にすると良いです。

冬は特に水の与え過ぎによる根腐れを起こしやすいので注意が必要です。

植え替え

植え替えをする場合は2,3年に1回行なうようにしますが、暖かい時期が良いので5月から9月頃の間にするのがベストです。

ポイントとしてはミズゴケの場合もバークチップの場合も鉢から出したら、
まず根についているミズゴケやバークチップをきれいに取り除きましょう。その後で根を傷つけないように気をつけながら広げていきます。

ミズゴケで栽培している場合の植え替えではあらかじめミズゴケを湿らせてから手の平くらいのサイズのボールを作ります。
その上に胡蝶蘭の根でミズゴケを覆うようにかぶせます。
さらに、その根の上に再びミズゴケをかぶせて根をサンドするようにします。

前もって底に軽石を敷いた鉢の中にそれを入れて植え替えは完成です。
バークチップの場合は、鉢に3分の1ほどバークチップを入れてから胡蝶蘭を鉢の真ん中に置きます。
あとはその上にバークチップをかぶせるようにのせて完成となります。

茎がある程度のびてきたら支柱を立てる事も考えなくてはいけません。
ラン用の支柱が販売されているのでそれを使って、緩めにくくるように支えます。

開花した後は花もしおれているので1つ1つ手で取り除きます。
こうする事で他の咲いている花にあたらないようにする事が出来ます。

花が茎の半分程度まで咲き終わったら花茎をカットしましょう。

ポイントは下から2から3節ほど残しておくという事です。
そうする事で、夏頃までに再び開花するチャンスが来る場合があるからです。
ここで注意すべきは1年に2度花を咲かせると株が弱ってしまい、翌年に開花しない可能性が出てきます。

毎年花を見たいという場合は根元から2から5cmほどでカットして、2度開花しないようにしてあげるのが良いです。
使うはさみは熱消毒をしたものを使うようにするのがポイントです。

もし根腐れを起こしていた場合は鉢からそっと取り出して腐っている根は熱消毒したはさみで取り除き、どれだけ根が残っているかによって鉢のサイズを決めます。

植える時は新しい土を用意して角棒の形をしている発泡スチロールを根の間にはさんでから植えるのがお勧めです。
こうする事で再び根腐れをしてしまうのを防止できます。

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