大切な人に送る特別なプレゼントとして選ばれることの多いものが、胡蝶蘭という花です。
美しい花で、比較的喜ばれやすい植物だと言えます。
しかし、「せっかく胡蝶蘭をもらったのに、すぐに枯れてしまった」という方も多いのではないでしょうか。
実際、胡蝶蘭は管理が難しく、間違った管理方法を行ってしまえば枯れてしまうのは当然だと言えます。
胡蝶蘭が枯れる原因
胡蝶蘭が枯れたら、それには色々な原因があります。
一番起こりやすい原因の一つが、胡蝶蘭の根腐れです。
胡蝶蘭は産地が限られているので、産地が発送してもらって手に入れる方が多くいます。
大抵の場合、発送途中に枯れてしまわないようビニールポットに水苔を敷き詰めた形で発送されています。
しかし、この水苔をそのまま放置して保管してしまうと、根っこの通気が悪くなってしまうので、水分を上手く排出することができずに根腐れしてしまうのです。
根腐れが起こると、悪化していくと同時に葉枯れも始まっていくので、もしかしたらと思ったら一度根ごと引っこ抜いて、根が茶色く変色していないか確認してみてください。
根腐れしていると確認できたら、植え替えを行います。
胡蝶蘭の根はいくつかあるので、腐った根だけを切り落とし、健康な根を植え直すことで、新たに胡蝶蘭を咲かせることが可能です。
ですが、最初の1週間の間に水やりを行うと、根の切断面が感染症を起こしてしまい、病気に繋がる可能性があります。
植え替えを行ってから8日後ほどから、水やりを含めて管理を行ってください。
そして、胡蝶蘭に限らず、花を管理する上では害虫に注意する必要があります。
胡蝶蘭につく害虫として代表的なのはカイガラムシという虫です。
白い胡蝶蘭の花に黒い斑点があったり、葉に固い殻を持った虫が確認できたら、カイガラムシによる食害を受けている可能性があります。
カイガラムシは繁殖力が非常に高く、少し放置していると胡蝶蘭全体を食害し始めます。
幼虫のうちは薬剤散布の効果もありますが、成虫になると薬剤などでは対処できません。も
し薬剤で駆除しきれなかった場合は、胡蝶蘭を傷つけないように、爪楊枝などを使って丁寧に一つ一つ駆除していってください。
また、目視しづらく気づきにくい害虫でハダニという虫が存在します。
ハダニは一見葉の表面に傷が入っているようにしか見えないのですが、よく見てみると、傷らしきものがウニョウニョと動いている場合があります。
葉のツヤがなくなったり、表面に白い斑点が出てきたときは、葉の裏側にハダニがついていないかチェックしてみてください。
ハダニは葉の裏側にびっしりとつくことが多いので、悪化すればするほど気づきやすくなる害虫です。
ハダニには殺虫剤なども効果的なので、できるだけ早めに駆除するように心がけましょう。
また、病気が原因で枯れる場合もあります。
植物であっても、病気に感染する可能性があり、胡蝶蘭も例外ではありません。
胡蝶蘭で発見しやすい病気としては「軟腐病」というものがあり、症状が悪化していくに連れて葉の表面を溶かすように白い斑点が広まっていきます。
最終的に病原菌が株の部分にまで侵食し、胡蝶蘭を枯死させます。
軟腐病には、細菌性のものとカビ性のものが存在していますが、一般的には細菌性のウイルスに感染することが多いです。
細菌性の場合は、症状がある程度進行すると悪臭を放つのですぐにわかりますが、カビ性の場合は目立った異臭を放ちません。
もしも白い斑点を確認したら、その葉がついている部分の茎をすぐに切断し、殺菌剤で殺菌を行うようにしてください。
また、カビ菌による病気として有名なのがフザリウム症という病気です。
全体の中ほどの位置にある葉の表面に斑点が出たり、葉が黄変した場合は、このフザリウム症である可能性があります。
とりわけ珍しい病気というわけではなく、枯死に直結するわけでもありませんが、症状が悪化すると根から十分に水分を吸収できなくなります。それによって、結果的に枯死してしまうことも考えられるので、注意が必要です。
胡蝶蘭が枯れる原因は、決して少ないわけではありません。
しかし、「これらの原因で胡蝶蘭が枯れたら、それで終わり」ということにならないのが、胡蝶蘭のすごいところです。
生命力の高い植物なので、二度咲きという方法で、枯れてしまった胡蝶蘭を再び咲かせることができます。
完全に枯死してしまった場合はできませんが、葉が枯れてしまっただけであれば、茎を切ることで、再び胡蝶蘭が咲き始めます。
二度咲きの管理方法は簡単ではありませんが、しっかりと管理することができれば、何度でも楽しめる花になるのです。
胡蝶蘭は強い植物
胡蝶蘭が枯れる原因は、通気性の悪い環境によって発生する根腐れや、害虫による食害、病気による枯死などがあります。
胡蝶蘭は他の花に比べても、比較的生命力の高い植物のため、植え替えや二度咲きなどを行うことが可能です。
プレゼントでもらった品であれば、枯れたからといってすぐに捨ててしまうのではなく、二度咲きなどに挑戦してみるのも楽しみの一つだと言えます。